2026/10/16 09:00

新しい素材の話になると、よく聞かれる質問があります。

「本革にどれくらい似ていますか?」

もちろん、質感や耐久性、使い心地は大切です。

でも、これからの素材について考えるとき、もうひとつ大切な視点があるのではないかと感じています。

それは、

「その素材だからこそ、どんなものが作れるのか」

ということ。

2026年9月、Keringがミラノ・ファッションウィークで発表した次世代素材のプロジェクトでは、10組のデザイナーが菌糸体、バイオベースのナノセルロース、植物由来素材、再生素材などを使って作品を制作しました。

今回の特徴は、新素材を既存素材の単純な置き換えとして扱わなかったことです。

デザイナーたちは、素材の質感、柔らかさ、構造、加工方法と向き合いながら、それぞれの素材に合ったデザインを考えました。

これは、never leatherがMalaiを扱う中でも、とても共感する考え方です。

Malaiは、ココナッツ産業の副産物と発酵によって作られるバクテリアセルロースをベースにした植物由来のバイオマテリアル。

見た目や手触りには、一般的な天然皮革や合成皮革とは少し違う個性があります。

表面にわずかな揺らぎがあったり、素材ごとに表情が異なったり。

私たちは、それを「欠点」ではなく、その素材らしさとして捉えています。

だからnever leatherでは、Malaiを無理に“革そっくり”に見せようとは考えていません。

素材そのものの風合いを生かしながら、名刺入れやキーケース、トレイ、ブックカバーなど、日常で長く使える形にしています。

これまでのものづくりでは、デザインを決めてから、それに合う素材を探すことが一般的でした。

でもこれからは、

「この素材なら、何ができるだろう」

というところからデザインが始まることも増えていくのかもしれません。

Keringの今回の取り組みは、その変化を象徴しているように思います。

新素材は、既存素材の代用品ではありません。

新しい質感、新しい作り方、新しいデザインを生み出すための選択肢です。

never leatherも、素材から生まれるデザインの可能性を、これからも探っていきます。